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特集記事【2011年6/20日号】

プラネタリウムといえば、ドーム状の壁面に星が点々と映し出され、星座などに関する説明が入る…というイメージをお持ちの方も多いと思います。それはそれで間違いではないのですが、近年のプラネタリウムの進歩は、本当に目覚ましい!CGを駆使したり、投影する機材も年々進歩していたりと、目をみはるものがあります。

関東一円にも多数のプラネタリウムがありますが、一般的には「一か所のプラネタリウムで、複数の“番組”をスケジュールにそって上映している」ところが多数を占めます。単なる星の説明にとどまらず、さまざまなテーマを設け、お子さんに人気のキャラクターがナビゲートしていたり、荘厳なクラシック音楽が流れる中、鮮明な星空散歩を楽しめたりと、まさに“番組”といった雰囲気。それこそ、映画を観るような感覚で楽しみながら、星についての知識も得られる工夫がなされています。

それではさっそく、首都圏近郊のプラネタリウムをご紹介していきましょう。

※震災の影響により、開館や上映スケジュールが変更となる可能性があります。プラネタリウムのホームページ等でご確認のうえ、お出かけください。
プラネタリウムといえば、東京・池袋のサンシャインシティを思い起こす方も多いのでは?

サンシャインシティのワールドインポートマートビル屋上にあるコニカミノルタプラネタリウム“満天”が、この夏の七夕の日、7月7日に満を持してリニューアルオープンします。

都会ではなかなかみることができない満天の星空を再現する、という思いを込めて“満天”と名付けられた同プラネタリウム。リニューアルを機に、従来の全天周CG映像システムから、最新鋭のデジタルプラネタリウムシステムに切り替わります。新システムは、宇宙空間の星の位置を3次元データとして保持しているため、例えば地球から137億光年というとてつもない遠いところで見る星空も、正確に再現できるようになりました。たとえるなら、「地球から見るオリオン座」だけでなく、オリオン座のはるか向こう側からオリオン座を眺めることができる、とでもいいましょうか。

従来よりも格段にくっきりと鮮明になった映像も見どころのひとつ。世界最高レベルの画質を誇るプロジェクター6台が連動し、ドーム全天360度に、継ぎ目のないクリアな星空が映し出されます。

CGによる体験アトラクションのような宇宙旅行ができたり、観客を包み込むように360度映し出される美しい実写映像を楽しめたりと、三次元の醍醐味を存分に味わうことができるようになる同プラネタリウム。リニューアルオープンを機に、4つの新作品が上映されるようになります。ひとつずつご紹介してみましょう。
まずは『フジテレビ×満天 宇宙天気予報』。月にあるという設定の「フジテレビmoonスタジオ」から太陽系惑星の天気や星空の話について、現場中継も交えつつお送りする情報番組テイストの作品です。

進行役は、フジテレビの早朝生番組「めざにゅ〜」でメインキャスターを努める杉崎美香さん。その他、ゲスト解説者として国立天文台の渡部潤一教授、星空レポーターとしてアイドリング!!!の3号遠藤舞さん(夏編)、6号外岡えりかさん(秋編)が出演します。夏編の上映は7月7日から9月4日まで。秋編は9月10日から11月27日までの上映です。
2つめの作品は、「スターリーテイルズ 星空は時を超こえて ハイクオリティ版」。プラネタリウム「銀河鉄道の夜」で観客動員数100万人を超える大ヒットを飛ばした「KAGAYAスタジオ」の最新作です。

紀元1世紀にオウディウスによって著された「変身物語」をモチーフに、ギリシア神話の星座物語が現代に甦りました。ナレーションは人気声優の水樹奈々さんが担当しています。
3つめの新作品は、ヒーリングプラネタリウム「天の川 星とアロマの夕べ」。七夕伝説なども織り交ぜ、満天の星空をゆったりとした音楽、リラックスできるラベンダーの香りが漂う中、天の川の流れに揺られながら旅する作品です。

ナレーションは、お笑いコンビ「キャイ〜ン」の“アマノッチ”こと天野ひろゆきさん。普段お笑いを繰り広げている時にはあまり意識しませんが、じっくり耳を傾けてみると、落ち着いた美声なんですよね。この作品にもピッタリの声ですよ。

また、同作品の上映は19時からの回と20時からの回に限られています。仕事が終わって帰路につく途中、プラネタリウムで癒されるのもオツですよね。
4つ目の作品は、夏休みファミリープラネタリウムとして「ポケットモンスターベストウィッシュ 光と影のテンキュウギ」。ご存じ、ポケモンです!ロケット団にさらわれたピカチュウを取り戻し、不思議な空間に広がる謎の古代遺跡「テンキュウギ」に隠された謎を解きあかすというストーリー。お子さんのテンションが上がるのは必至ですね。

それぞれの番組の上映スケジュールは、コニカミノルタプラネタリウム“満天”のホームページに掲載されています。お出かけの際はぜひともチェックして、心行くまで“満天”の星空をお楽しみください。
■コニカミノルタプラネタリウム“満天”
 ホームページ:http://www.konicaminolta.jp/manten/
 
多摩地区に位置する6つの市(現在は5市)によって設立・運営された多摩六都科学館は、プラネタリウムをはじめ、5つの展示室・科学学習室を持つ、参加体験型の科学館です。

その最大の魅力は、やはりプラネタリウム!世界最大級(直径27.5m)のプラネタリウムドーム「サイエンスエッグ」では、多彩な星空番組が上映されています。

星空の解説と、宇宙に関する投影テーマに沿ったお話の2部構成で進むのは一般投影番組「解説員による生解説」。

7月12日(火)まで上映されている一般投影番組は「第二の地球はあるか?〜太陽系外惑星探査〜」。解説スタッフによる生解説つきで上映されます。

「地球と同じように、水があって空気があって生き物が暮らしている星はあるの?」ということは、誰もが一度は疑問に思いますよね。近年は観測技術が向上して、世界各国で「地球によく似た惑星」探しが行われています。

太陽系の外に位置する惑星の探査方法や、生命が存在する惑星の条件など、最新の情報を交えて解説員が紹介。星空紹介が約30分、テーマ解説が約20分、計50分のプログラムです。

7月16日(土)から8月31日(水)までは、同じ「解説員による生解説」の新番組「知っているようで知らない星座の話」が上映されます。星座ってそもそも何?誰が考えたの?星占いの星座が実際の誕生日には見えないのはどうして?知っているようで知らない星座についての知識を、楽しみながら得られるプログラムとなっています。お子さんに「星座って誰が考えたの?」と聞かれ、思わず黙り込んでしまった経験のあるお父さん、お母さんも必見ですよ(笑)。
一般投影番組の他にも、季節や時期に合わせた「特別投影番組」を上映しています。映像だけでなく、音楽と映像のハーモニーを楽しめるのが「やすらぎのプラネタリウム」という番組。クラシックやバロック音楽、ヒーリング系の音楽など、季節に応じて独自のプラグラムを上映しています。壮大な宇宙の映像を眺めながらの音楽鑑賞は、深いやすらぎを堪能できることでしょう。

一方、お子さんに人気の特別投影番組が「キッズプログラム」。こちらは“お勉強”というよりも、星を楽しく見ることがテーマになっています。「オズのまほうつかい」などの物語がモチーフになっていたりと、お子さんに馴染みやすい演出が施されている点も嬉しいところです。 (オート番組「オズのまほうつかい」(約25分)、解説員による当日の星空のおはなし等(約10分))

天文クイズ番組「めざせ!プラネクイズマスター」もお子さんに人気の番組です。同館のプラネタリウムの珍しい特徴として、すべての座席にレスポンスアナライザー(自動集計装置)回答ボタンが設置してあります。そのボタンを使いながらのクイズで、大人もお子さんも全員が参加できる仕組みになっています。ぜひともチャレンジしてみてくださいね!

これら特別投影番組のスケジュールは、同館のホームページに掲載してあります。気になる番組の上映日、上映時間をチェックしてからお出かけください。

ちなみにプラネタリウム以外にも、科学にまつわる展示が満載です。「宇宙の科学」展示室では、国際宇宙ステーションの宇宙実験施設「きぼう」の実物大模型の一部などをはじめ、映像や模型、実物がズラリ。なかでも人気を得ている体験展示のひとつが「ムーンウォーカー」です。月面の重力は、地球上の約1/6といわれています。月面を歩くとボヨーンとはねるようになるわけですが、その月面歩行を疑似体験できるというもの。身長110cm以上、体重70kg未満の方が対象です。

お子さんが楽しみながら学べる体験展示から、大人の好奇心を満たす展示までが揃う同館、ぜひご家族揃ってお出かけください。
■多摩六都科学館
 ホームページ:http://www.tamarokuto.or.jp/
 
多摩川沿いの広大な緑地に位置する、府中市郷土の森博物館は、郷土の歴史や文化だけでなく、豊かな自然も満喫できるミュージアム。同館のプラネタリウムは、平面床では国内最大級の規模を誇ります。座席数は287にも及び、巨大なドームスクリーンは直径23メートル。そこに1万2千個の星々が映し出され、四季折々の星座や惑星の動きがダイナミックに再現されます。

プラネタリウム入口にあるのは、府中市内にあった実物の「二十三夜塔」。二十三夜塔とは、かつて日本で信仰の対象になっていた“月”にまつわる碑のこと。さらに三球儀、太陽系運行儀、四季の星座(8台)なども展示され、宇宙への旅気分を盛り上げてくれます。

そしていざ、プラネタリウム上映!プラネタリウム一般番組は、前半と後半の二部構成となっています。前半が、当日の星空の生解説。現在夜空を彩っているさまざまな星座がわかるので、帰宅した後に星空を眺める楽しみが増えると思いますよ。

そして後半は、楽しい番組が続々!9月4日(日)まで上映される夏の新番組は『月の魔法とサンゴの海』。世界中の60館以上で上映されているアニメーションの登場です。小さいお子さんから大人まで楽しめる同作品は、ドイツのアニメ映画賞を受賞したほか、世界中で絶賛されているCG作品。

月の魔法に守られた、美しい珊瑚の海が舞台です。あらゆる生命が平穏に暮らしていましたが、あるとき魔法が何者かの力で解けてしまい、地底火山が噴火。魚のジェイクとショーティは、その理由を突き止め、珊瑚の海を守るために旅立つ冒険ストーリーが展開されます。美しく、かつ楽しい“ドームスクリーン映画”といえるでしょう。
かわいい恐竜が登場する『さいごの恐竜 ティラン』は、9月4日(日)まで延長投影が決定。直木賞作家である村山由佳さん原作のアニメーション作品です。女優の今井美樹さんが語りを担当しています。

白亜紀の終わり頃、家族を失ったお母さんザウルスが、宿敵であるT-REXの卵を育てるところから物語は始まり、「ティラン」と名づけられたその子は母思いの心優しい恐竜に成長。しかしやがて巨大隕石の衝突で地球環境が激変。

草食恐竜であるお母さんを守るため、「ティラン」は群がるT-REXを相手に果てしなき死闘を繰り広げます。親と子の間に生まれる大切な絆、そして輝きに満ちた生命。やさしい気持ちになれる作品です。
昨年、小惑星探査を追えて無事に帰還し、ブームにもなった探査機「はやぶさ」をテーマにした映像作品「HAYABUSA-BACK TO THE EARTH-ディレクターズカットバージョン」も上映中です。

世界で初めて、月以外の天体に着陸して小惑星の石」を収集した「はやぶさ」、その打ち上げから帰還までを追った全編CGのドキュメンタリー。

ドームいっぱいに広がる臨場感満点の映像が感動を呼びます。
そして、各地のプラネタリウムで好評を博している『宮沢賢治 銀河鉄道の夜』。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」がプラネタリウムのドームいっぱいに展開し、あたかも銀河鉄道に乗って銀河を駆け巡っているような気持ちになれますよ。

同館では、期日限定でさまざまな宇宙に関するイベントも実施しています。7月16日(土)と17日(日)には「親子天文講座 〜天体望遠鏡を作ろう〜」を開催。プラネタリウムで夏の星空解説を楽しんだ後、親子で協力して口径4cmの屈折式望遠鏡を組み立てます。実際に月や惑星を望遠鏡で眺めてみる星空観察会は、7月9日(土)に「土星と球状星団“M13”を見よう」、8月6日(土)に「ドーナツ星雲“M57”を見よう」が開催となります。イベントに関しては、同館のホームページで詳細をチェックしてくださいね。

楽しみながら学ぶ星空の魅力。お子さんの夏休みの自由研究にもぜひ活用してみてはいかがでしょう。
■府中市郷土の森博物館
 ホームページ:http://www.fuchu-cpf.or.jp/museum/index.html
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