古来から日本には、“目で見て涼む”文化があります。実際に涼しくなるかはさておき、気持ちの面で夏を優雅に、風流に過ごすことはとても大切。暑さからイライラが募り、ストレスがたまって夏バテに拍車がかかるということはよくある話です。
そんな夏の“涼”を得る風物詩といえば、ほおずき。初夏に黄色い花が咲き、がくの部分が膨らんでオレンジ状になるほおずきは、毎年7月になるとお寺の境内などに市が出て、売り子の賑やかな声が飛び交います。
もっとも有名なのは浅草・浅草寺のほおずき市。江戸の庶民にも愛された由緒ある市ですが、今年はすでに終了。これからの時期ですと、7月20日(水)から始まる「神楽坂まつり」。20日(水)と21日(木)の両日とも、17時半から22時まで毘沙門天善国寺前にほおずき市が出現します。ズラリと並ぶほおずきに本格的な夏の到来を感じること請け合いです。屋台や子供縁日も出て賑やかですよ。ちなみに22日(金)と23日(土)は、神楽坂通りを舞台にした阿波踊り大会が行われます。歴史風情溢れる神楽坂のお祭り、要チェックです!!
7月23日(土)と24日(日)は、こちらも歴史ある小石川を舞台に「文京朝顔・ほおずき市」が開催されます。朝顔もまた、夏の風物詩ですよね。「朝顔市」は徳川家ゆかりの伝通院が会場となり、「ほおずき市」は“こんにゃくえんま”で知られる源覚寺が会場となります。
もうひとつ“目でみる夏”といえば金魚。金魚といえば夜店の金魚すくいが知られていますが、かつては夏になると金魚の泳ぐタライを天秤で担いた「金魚売り」が出ていました。江戸時代の町民たちも、夏に金魚を飼って愛でる習慣がありました。
そんな金魚の産地といえば東京・江戸川区。町おこしの一環として、7月23日(土)と24日(日)の両日、行船公園にて「江戸川区特産 金魚まつり」が開催されます。生産者自慢の珍しい金魚の販売をはじめ、毎年恒例となった「金魚すくい」には、2日間で20000匹もの金魚を用意。中学生以下無料、高校生以上1回100円というリーズナブルさが嬉しいですね。1回500円の「高級金魚すくい」も、ここでしか味わえない醍醐味ゆえにやってみたいところです!
ほおずき、朝顔、金魚など、夏の暑さで折れそうになる心をホッと休めてくれる風物詩。今年の夏は揃えてみてはいかがでしょう。