次に紹介するのは東京都北区にある旧古河庭園。ここで楽しめるのは、紅葉とバラの競演です。
バラは季節を問わず、何度でも咲かせることができる"四季咲き"の花。庭園や花のテーマパークなど、庭師さんが手入れしている施設は、春と秋の2回咲かせることが多いようです。旧古河庭園も例に漏れず、春と秋に花をつけます。秋バラのピークは、例年10月中旬から11月下旬にかけてです。「プリンセスマサコ」などの希少種も多く、ほのかに漂う香りも気分爽快。10月15日(土)から30日(日)までの期間は、「秋のバラフェスティバル」を開催中です。約90種180株の美しいバラに加え、音楽会やバラのオブジェの展示などの催しも行われます。
この庭園の特徴は、和と洋、双方の庭園が隣接していること。洋館の手前には、左右対称の幾何学模様の刈込みが美しい西洋庭園が広がり、バラもこのエリアがメインです。その西洋庭園に隣接するようにして、池を中心に枯滝・大滝・中島を配した日本庭園が広がっています。庭園自体がミスマッチ感覚ともいえるでしょう。主に紅葉が広がっているのは日本庭園のエリアです。すべての木が一緒くたに色づいているわけではなく、池のほとりなどに点々とモミジやハゼノキがあるのも、日本的な美を感じさせてくれます。紅葉のピークは、11月中旬から12月上旬にかけてです。
もうひとつ、ちょっと遠方になりますが、一度は訪れてみたい絶景として、皆さんに覚えておいてほしい地をご紹介します。秋の北海道・美瑛町です。
美瑛町は、なだらかな丘が続く町。見渡す限りの平原に一本道がはるか向こうまで延びている風景があちこちにあり、まさにこれぞ北海道の大自然!といったところです。何もない平原にポツリと一本だけ立っているポプラの木は、かつてCMに使われたことから「ケンとメリーの木」や「セブンスターの木」などの名がついていて、特に有名。春から秋にかけて、美瑛駅からこれらの木を巡るウォーキングやサイクリングを楽しむ観光客が多く訪れます。
スカッと青空が広がる新緑のシーズンもステキですが、紅葉のシーズンも負けてはいません。10月中旬からナナカマドやイチョウ、ポプラなどの広葉樹が色づきます。そして少し遅れて、11月初旬頃にはカラマツの木が紅葉のピークとなり、美瑛の丘を彩ります。夕陽が当たって金色に輝く姿は、瞼に焼き付くほど鮮烈な風景です!
そうそう、花と紅葉の競演も忘れてはなりません。ここで見られる花は、秋まきのキガラシとヒマワリ。9月下旬頃から10月いっぱいくらいまで、美瑛の一部の畑に広がっています。キガラシは菜の花の仲間で、パッとみると春の風景のように感じますが、れっきとした美瑛の秋の風物詩。キガラシもヒマワリも、そのまま畑に埋められて肥料となる「緑肥」として栽培されています。そのため、昨日広がっていたキガラシが翌日には埋まっている…といったことも。見られるか否かは、運の要素もあるわけです。
一面に広がるキガラシ畑の向こうには、紅葉したカラマツ。その向こうには雪帽子を被った山々。美瑛の秋は、なかなか他では見られない大自然の芸術です!