東京に最も近い城下町として知られ、歴史的な文化財がいまもなお残る街、埼玉県川越。その町並みから"小江戸"とも称され、散策を楽しむ人で賑わっています。
そんな川越市がもっともアツくなる日が、10月20日(土)と21日(日)に開催される「川越まつり」です。その歴史は、なんと360年以上を誇り、2日間で80万人以上の人出を数えます。
最大の見どころは、江戸で行われていた「天下祭」を再現したといわれる山車行事。神話や民話の登場人物や、歴史上の偉人、キャラクターなどの人形を乗せた山車は、どれも豪華絢爛の装い。そんな山車が30台ちかく登場し、歴史風情あふれる町並みと見事なまでの調和をみせます。最も人気のエリアは、一番街商店街。ここには蔵造りの町並みや、小江戸・川越を象徴する「時の鐘」があります。また、人形や彫刻、幕の刺繍など、それぞれの山車の個性や、山車を先導する「先触れ」「露払い」「手古舞(てこまい)」などの人々の衣装の違いにもご注目ください。
ちなみに、山車の出ない町内が、道路に面した仮設舞台を作り、そこでお囃子にあわせて天狗や狐、ひょっとこなどの面をつけた人びとが舞う「居囃子」も、そこかしこで行われています。
盛り上がりをみせるのは、山車同士が道ですれ違う「曳っかわせ(ひっかわせ)」です。向かい合ったそれぞれの山車が、笛や太鼓、踊りなどで競い合います。勝ち負けを決めるわけではないものの、現在でいうところの"ダンスバトル"に近いものがあるかもしれませんね。人びとは提灯を高く掲げて、曳っかわせを盛り上げます。特に夜の曳っかわせは、提灯のあかりが乱舞して、盛り上がりも最高潮となりますよ!
小江戸がさらに"江戸"に近づく日、それが川越まつりといえるでしょう。