温暖な気候ゆえに、春は早く、秋は遅い房総半島。その奥座敷といわれる養老渓谷は房総随一の温泉郷にして、絶景が広がる紅葉スポットでもあります。
紅葉の見頃は例年11月中旬から12月上旬にかけて。養老渓谷はひとつの渓谷ではなく、地域一帯を指す名称です。落差30m、長さ100mを誇る県内最大の滝「粟又の滝」をはじめ、紅葉のピーク時には山全体が染まる「老川もみじ郷」、もみじやカエデのみならず、黄色いツリフネソウやナンバンギセルも風景に彩りを添える「筒森もみじ郷」など、渓谷の至るところで紅葉を満喫することができます。
養老川沿いには、味わい深い温泉旅館が立ち並んでいます。粟又の滝の上流方面へ800m先の川沿いには日帰り温泉施設「滝見苑けんこう村ごりやくの湯」があり、ココの露天風呂から眺める紅葉もまた格別です!
一方、養老渓谷の西側に位置する梅ヶ瀬(うめがせ)渓谷も紅葉の名所として忘れてはならないスポット。九州高鍋藩出身の教育者、日高誠実(のぶざね)が晩年をここで過ごし、梅の木を多く植えたことから、奈良の月ヶ瀬に倣って梅ヶ瀬と名付けたといわれています。現在も「日高邸跡」は観光名所になっていて、ここの紅葉がまた見事!!落葉の季節になると、地面いっぱいにもみじが敷き詰められ、深まる秋を感じさせてくれます。
ちなみに紅葉シーズンの土・日・祝日には、小湊鉄道養老渓谷駅から梅ヶ瀬渓谷入口行のシャトルバスが出ていますが、歩けない距離というわけでもありません。養老渓谷駅を起点にして梅ヶ瀬渓谷、日高邸跡、もみじ谷、大福山展望台を巡って駅に戻るコースは、約9.6km。他にもいくつかコースがあり、秋のハイキングには最適です。
すでに他の地域で紅葉狩りを楽しんだ人も、今年の"秋の締め"にお出かけしてみませんか?