強羅にある箱根美術館は、縄文期から鎌倉、室町、安土桃山期の陶器が揃う美術館。重要文化財に指定されているものも多く、焼きもの好きでなくても心洗われる逸品がズラリと並んでいます。そんな美術館の庭が、秋になると紅葉の名所に早変わり!
敷地内には日本庭園が広がり、例年11月中旬から11月下旬にかけて、200本以上のもみじが紅く染まります。庭園には風情ある石畳が連なり、地面は苔で覆われているところがポイント。写真をみれば一目瞭然、紅葉とよく合うんです!
11月3日から11月30日にかけては、琉球舞踊や琵琶演奏、特別席が設けられた茶室など、紅葉をさらに楽しむイベントが多数催されます。
もみじやカエデといった赤く染まる紅葉ではありませんが、箱根といえばススキも有名ですよね。江戸時代に、この地を開墾して作物をつくろうと試みるも、火山灰を含む痩せた土地ゆえに実りがなく、この地にすまう人びとはカヤ(ススキ)を屋根葺き用として出荷して生計を立てていたそうです。
仙石原のススキ草原は、10月下旬から11月上旬にかけてが旬。黄金色のじゅうたんを敷き詰めたように色づき、キラキラと輝きながら風に揺られる様子は、なんとも見応え十分。よく河川敷などにもススキは生えていますが、ここまで群生していると「そのもの青き衣をまといて、金色の野に降り立つべし」という『風の谷のナウシカ』の有名な一節がアタマをよぎります!
その仙石原から程近い距離にある長安寺も、紅葉の名所です。名所のわりには他のスポットに比べてやや人が少ないため、静かな空間の中に身を置いて、じっくりと秋に浸ることができます。なにより素敵なのは、掲題の至るところにお釈迦様の弟子「五百羅漢」の像が点在していること。その表情や趣きは1体づつ異なっていて、怖い顔をしていたり、口を大きく開けて笑っていたりと、興味深いものばかり。周囲の自然と溶け込んでいて、紅葉の季節はさらに趣きが増します!
紅葉にそまる箱根、この秋イチオシのスポットです!