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特集記事【2013年9/20日号】

今年の夏の猛暑を乗り越え、収穫の秋がやってきました。作物が無事に実ったことへ感謝すると同時に、とれたて新鮮な作物を調理して振る舞う"収穫祭"は、世界中の人びとにとって秋の一大イベントです。

今月は、関東近郊で開催される収穫祭の情報をお届けします。信州の新そばをはじめ、さつまいもや魚介類、ぶどうに"しし鍋"に至るまで、さまざまな秋の味覚を取り揃えました。

また、同時に開催される「かかし祭り」などの楽しいイベントや、巨大な鍋などを駆使した調理実演なども見逃せませんよ!また、ちょうど紅葉の時期と重なるため、紅葉狩りとグルメ探訪をいっぺんに楽しめる収穫祭も要チェックです!
秋に収穫した「新そば」を楽しみにしている方もいらっしゃることでしょう。香り高い新そばの味を堪能できる収穫祭に行くのなら、そばどころとして知られる信州・長野は外せません。秋になると、各市町村でたくさんの収穫祭が開かれています。さっそくいくつかご紹介しましょう。

まずは、県南の伊那地方。10月20日(日)に、内の萱スポーツ公園にて「行者そば祭」が開催されます。

伊那は、信州そばの発祥地ともいわれているのをご存じですか?奈良時代の修験道の開祖「役行者(えんのぎょうしゃ)」がこの地を訪れた際、そばの栽培を地元の人々に教え、ここから信州そばが広まったのだとか。修験道の行者たちはお米などの五穀を食べない習わしがありましたが、そばは五穀の中に含まれないため、そばがよく食べられていたそうです。

現在の「行者そば」は、そばつゆに焼いた味噌を溶き、辛子大根をおろしたものを薬味として合わせて食べる一品。辛めのつゆがピリリと効いていて、このそばを食べたいがために足を運ぶそば通もいるほどです。行者そば祭では、2000食の行者そばが振る舞われます。

同じく伊那地方で、10月26日(土)、27日(日)には「みはらしファーム」にて「信州伊那新そばまつり」が開催されます。来場者のお目当ては、「半ざる食べ歩き」。行者そばや松茸そばなど、異なる味覚のそばを少量ずつ、食べ比べることができます。

さらに、イベントも盛りだくさん。アマチュアそば打ち世界大会の歴代チャンピオンによるそば打ち披露では、見事な技を鑑賞できると同時に、マルバツクイズで勝ち抜いた方はチャンピオンが打ったそばを食べられるというおまけつき。「ソバリエコンテスト」は、新旧の十割そば、二八そばの4種類を食べ比べ、内容を当てる催し。正解者には、そば券が進呈されます。

この食べ比べは、新そばの味がよくわかる良い企画ですね。いや、もしかしたらわからないかも…。その他、そば踊りなるものが披露されたり、りんごやぶどうなど地元で収穫された特産品を購入することもできます。
■行者そば祭
■信州伊那新そばまつり
長野市の戸隠も、いわずと知れた信州そばの名産地。この地で作られるそばは「戸隠そば」と呼ばれ、岩手の「わんこそば」、島根の「出雲そば」と並び、日本三大そばのひとつに数えられることもあります。

そばの皮を取らずに挽く"挽きぐるみ"の蕎麦粉を使い、小分けにしてざるに盛る「ぼっち盛り」によって供される戸隠そばの収穫祭は、その名もズバリの「戸隠そば祭り」。11月1日(金)、戸隠神社にて「新そば献納祭」が開催されます。召立行列にはじまり、戸隠のそば打ち名人の技が光る献納そばの手打ち式が行われたのちに神社に奉納。新そばの振舞いや、そばがき体験、戸隠おろしと呼ばれる辛み大根の体験なども行われます。

おごそかな雰囲気が漂う神社での奉納をみた後に食べる新そばは、なかなか他では体験できませんよね。収穫に対する感謝の念が、さらなるスパイスとなって味を引き立ててくれそうです。

戸隠そば祭りは、その後も11月24日(日)まで、舞台を市内の戸隠そば店に移して続きます。戸隠そば屋約20店での「半ざる食べ歩き」のスタートです。ひとえに戸隠そばといっても、お店によってそばやつゆの味は微妙に変わるもの。なるべく多くのそばを味わってもらうため、来場者は半ざる券5枚と年越しそば抽選応募券などがセットになった「半ざる食べ歩き手形」を購入し、スタンプラリー形式で食べ歩く仕組みとなっています。

その他にも、10月26日(土)〜27日(日)には、山ごぼうの葉の繊維をつなぎに使う「須賀川そば」が楽しめる「須賀川そば第9回法印さんと新そばまつり」、10月12日(土)〜12月15日(日)には、ミネラルウォーター生産量日本一の八ヶ岳南麓を舞台にした「八ヶ岳新そば祭り2013」、11月1日(金)〜10日(日)には紅葉が美しい高遠城址公園を舞台にした「高遠城址の秋まつり」内でも新そば祭りが開催されます。

紅葉狩りと同時に、新そばを楽しむ信州の旅に出かけてみませんか?
■戸隠そば祭り 新そば献納祭
■戸隠そば祭り 半ざる食べ歩き
三浦半島の先っぽに位置する三崎漁港は、遠洋漁業の基地として全国有数の規模を誇ります。中でも脚光を浴びているのが、マグロの水揚げ。近年のB級グルメブームに乗って登場した「三崎まぐろラーメン」の知名度も、グングンと上がってきています。首都圏から京浜急行でアクセスできる"近場感"も相まって、漁港周辺は美味しいマグロが食べられる店が連なり、多くの人が足を運んでいます。

そんな三崎漁港を舞台に、11月3日(日)に「三崎港町まつり」が開催されます。会場となるのは、三浦市三崎水産物地方卸売市場。まずご紹介したい見どころは、なんといっても即売会!値段の手頃さはもちろんのこと、普段なかなかスーパーに並ばない部位も出回ります。贈答用などの物販ブースを合わせると、およそ30店舗が市場内に出揃うことに。威勢のよい声がこだまする中をそぞろ歩くだけでも、非日常の気分が味わえますよ。マグロはもちろん、近海の地魚も多く並んでいます。

お腹が空いたら会場内の食事処「三崎まぐろ食堂」へ。三崎のまぐろを駆使したオリジナルメニューに舌鼓を打ちましょう。

楽しいイベントも充実しています。まぐろがまるまる1匹当る大抽選会をはじめ、まぐろの体重を予想して投票し、正解者にまぐろ加工品などの賞品が授与される「まぐろの体重当てクイズ」、直接泳いでいる海の生き物に手を触れることができる「タッチプール」など、家族で楽しく参加できるようになっています。漁に使う台船を使用した船上ステージでは「相州海防陣屋太鼓」なども披露され、"漁港の収穫まつり"ムードは否応なしに高まります!
■三崎港町まつり
豊かな自然と、長さ本州一の吊橋「竜神大吊橋」で知られる茨城県の常陸太田市。 この地の収穫祭といえば、里美(さとみ)地区で毎年11月上旬に開催される「さとみ秋の味覚祭」です。

会場となるのは、里美ふれあい館イベント広場。収穫の秋にふさわしく、お米をはじめとした農作物から食肉、乳製品に至るまで、地元の豊かな自然が育んだ特産物の即売会が行われるほか、料理を振る舞うブースが立ち並び、舌鼓を打つお客さんで賑わいをみせます。

さらに注目したいのは、この収穫祭と同時に開催される「かかし祭り」。古来から田んぼの守り神であり、収穫をもたらす象徴といえるかかし、最近はなかなかお目にかかる機会がありませんよね。「みたことがない」というお子さんもいらっしゃるかもしれません。

このかかし祭りは、一般応募のコンクール形式で行われ、大小さまざまなかかしが会場を埋め尽くします。ユーモアたっぷりの表情だったり、龍やアニメのキャラクターなど個性豊かなかかし達が、収穫祭の雰囲気を盛り上げてくれますよ。

ちなみに「さとみ秋の味覚祭」「かかし祭り」が開かれる11月上旬といえば、紅葉に染まる季節です。竜神大吊橋をはじめ、いくつもの滝や奇岩が美しい風景をつくり出している竜神峡の周辺は、絶好の紅葉狩りスポット。立ち寄らない手はありません!

11月上旬から下旬にかけては、竜神大吊橋を中心に毎年「竜神峡紅葉まつり」が開催されています。高い品質を誇る「常陸秋そば」の発祥地でもある常陸太田市にちなみ、新そばフェアののぼりが目印の各店で、常陸秋そばの新そばも振る舞われますよ。

収穫と紅葉、そしてかかしもいっぺんに楽しむ秋の休日、なんとも優雅な一日になりそうです!
■さとみ秋の味覚祭・かかし祭り
■竜神峡紅葉まつり
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