上野恩賜公園といえば、言わずと知れたお花見の名所。江戸の初期から現在に至るまで、庶民のお花見のためのエリアとして賑わってきました。例年の見頃は3月下旬から4月上旬にかけて。上野動物園内を含めると、約1200本の桜が一斉に開花します。
例年、お花見シーズンには述べ200万人近い人出がある同公園ですが、今回ご紹介したいのは、心を落ち着かせながらの花見とお食事の楽しみ方です!
まず訪れてほしいのは、公園内にある東京国立博物館。本館北側に庭園があるのをご存じですか?この庭園、普段は一般開放されておらず、桜と紅葉の季節だけお披露目され、自由に散策することができます。池を中心に由緒ある5棟の茶室が備わり、珍しい樹木や野草も植えられていて、5代将軍徳川綱吉が法隆寺に献納した五重塔や石碑、燈籠などもあり、歴史情緒豊かな庭園です。
2014年春の一般開放は、3月8日(土)から4月13日(日)にかけて。10時から16時まで開放されます。ソメイヨシノをはじめ、オオシマザクラやショウフクジザクラ、枝垂れが美しいエドヒガンザクラ、緑がかった花が珍しいギョイコウザクラなど、10種類の桜が咲き誇る園内を巡ると、上野公園の喧騒が遠く離れた存在に感じるほどです。
さて、お食事も公園内でいただきましょう。心静かにお食事を楽しみたいのなら、西郷さんの銅像から程近いところにある懐石料理「上野の杜 韻松亭(いんしょうてい)」がおすすめです。
創業は、上野公園が誕生した2年後の明治8年。日本画の大家、横山大観が店主を務めていたこともあるのだとか。内装も、落ち着いた日本家屋のたたずまいで、公園を見下ろすことができるお座敷をはじめ、掘りごたつ式のお座敷や、レトロモダンな雰囲気が漂うカウンター席などがあり、席ごとに異なる趣きを楽しめるインテリアが施されています。
お食事は、豆菜料理を中心に、お豆と季節の素材をふんだんに使用。生麩やこんにゃくを手作りしていたり、ゆばや呉汁、豆乳など、素材を吟味し尽くした調理法で、目にも鮮やかなお料理が振る舞われます。創業当時から続く「鳥コース」も人気です。
お花見の期間中は、期間限定メニューに切り替わります。席も埋まりつつあるとのことなので、予約はお早めに。心を落ち着かせる上野の桜見物、おすすめですよ!